2018年2月13日火曜日

詐害行為取消訴訟が重複した場合の処理(大邱高等法院2018年1月24日判決)

 本件は、債務者から不動産を購入した被告に対し、債権者が詐害行為取消訴訟を提起したものですが、この債権者とは別の債権者が既に同じ不動産の譲渡について詐害行為取消訴訟を提起して確定判決を受けていました。
 日本では、今度の民法改正で詐害行為取消訴訟の判決の効果が他の債権者に及ぶようになりますが、これまでは複数の債権者から詐害行為取消訴訟が提起された場合のルールが明らかになっていませんでした。
 これに対し、韓国では詐害行為取消訴訟の効果は他の債権者に及ぶので、後行の訴訟では先行の訴訟と重なっていない部分のみ認められることになります。本件は、先行の訴訟から土地の価額が増加した場合に、その増加した部分は先行の訴訟とは重なっていないのではないかと問題になりましたが、裁判所は評価額が増加した部分は重なっていない部分に当たらないとしました。
 2つの訴訟が別訴だとすると、不動産の評価額はそれぞれの口頭弁論終結時を基準に評価されるので、後行の訴訟のほうが評価額が高くなれば、増加した部分については先行の訴訟とは重なっていないということができそうです。しかし、取消の対象になっているのは処分行為自体なので、その処分行為の全部について既に取り消されているのであれば、価額の増減は無関係であるということだと思われます。
 以下は、判決の一部です。
 詐害行為取消権の要件を備えた各債権者は固有の権利として債務者の財産処分行為を取り消して、その原状回復を求めることができるものであるが、ある一人の債権者が同一の詐害行為に関して詐害行為取消及び原状回復請求をして勝訴判決を得て、その判決が確定してそれに基づいて財産や価額の回復を終えた場合には、他の債権者の詐害行為取消及び原状回復請求はそれと重複する範囲内で権利保護の利益がなくなるものであり、同一の詐害行為に関して取消訴訟が重複した場合、先行訴訟で確定判決によって処分不動産の鑑定評価による価額返還がなされた以上、後行訴訟で不動産の時価を再び鑑定した結果、上の確定判決で認定した時価より評価額が増加したとしても、その増加した部分を上の確定判決で認定した部分と重複しない部分とみなしてこれについて再び価額賠償を命じることはできない。

 

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